平成10年の花祭り法要のときに「樹下の会」が始まりました。毎年この花まつりに参詣される大橋さん高梨さん、2人の方の「信仰のために仏様を学びたい」と云う希望により、仏様の行と教えを繙き体験する「坐禅とお経の会」の発会となったのです。 今から約2500年前、お釈迦様のお誕生を祝うかのように空から無数の花びらと甘い雨が降り池の水が甘い水となり、その水で産湯をお使いになられた伝説により、この写真中央の「花御堂」の屋根にはたくさんの色とりどりの花が降り積もっている様が再現され、お堂の中の小さな「誕生仏」は甘茶が入った水盤にお立ちになられています。参詣の人は小さな柄杓で誕生仏の頭から甘茶を注ぎ「南無釈迦牟尼仏」(ナムシャカムニブツ)とお唱えし合掌して、お祝いと感謝の気持ちを捧げます。住職の法話のあと甘茶が振る舞われます。 お誕生なされたお釈迦様は天と地を指差し、『天上天下唯我独尊』と述べられたそうです。生まれてすぐに言葉を発するかどうかは別として、この言葉がお釈迦様の教えの根幹であると受け止めるべきと思います。「宇宙と地上においてただ我ひとり尊し」自分が一番偉いということでは決してなく、「生命、存在」がその存在において尊い、従って「存在」そのものが皆それぞれ尊いと解釈できます。そして存在どうしの関係は尊い関係にある、とお示しになられたことと思います。「人」という字は支え合っている姿を表しているといわれます。「人間」は人の間と書きます。即ち人と人の間柄を表す言葉であります。支え合って生きる尊い存在同士と認め合うことが基本で慈しみの心を以て間柄を成すものと思います。 お誕生が教えを今に伝える、これが花まつり。ここに感謝の合掌があるのです。ナムシャカムニブツ。 |